テンセントが支援する中国の人工知能トレーニングクラウドコンピューティングプラットフォーム「Enflame Technology」は、シリーズBラウンドで7億人民元(9,860万米ドル)の資金調達を行った。
同社は5月7日、北京に拠点を置くプライベートエクイティ企業のSummitView Capitalがラウンドを主導したと発表した。中国の大手テック企業であるテンセントは、創業者に次ぐ筆頭株主で、23.2%の出資比率を誇っている。今回の資金調達は、テンセントがEnflameに投資した過去2年間で3回目となる。しかし、このラウンドでのテンセントによる実際の資金調達額は公表されていない。テンセントは以前、同スタートアップに少なくとも3億4000万元を投資したことがある。
2018年3月に設立された上海を拠点とするスタートアップは、人工知能のための中立的なネットワークソリューションを提供しており、クラウドデータエントリー用に開発されたディープラーニングハイエンドチップに注力している。同社の最初の製品であるCloudBlazerは、2019年12月にローンチした。電力効率の良いデータ処理を備えたAIアクセラレータだ。
Enflameの共同創業者兼CEOである趙麗東氏は声明の中で、「Enflameの創業以来、チームは製品化の重要性を理解してきた」と述べている。同社は、中国におけるAIクラウドコンピューティングソリューションの信頼できるサプライヤーとなり、中国の技術輸入への依存度を下げることを目指しています。
Enflameによると、今回の資金調達は事業の規模拡大、製品の大量生産の促進、優秀な人材を擁する技術サポートチームの拡大に充てられるという。また、第2世代のクラウド型AIトレーニング製品の研究開発を強化する計画もあるという。
世界的なパンデミックの影響で、資金繰りに困っているスタートアップ企業にとって資金調達が非常に難しくなっている中で、今回の資金調達ラウンドは印象的だ。Itjuziのデータによると、第1四半期の中国におけるベンチャーキャピタルの投資額は、前年同期に比べて3分の1に減少している。しかし、中国は2030年までにテクノロジーの先駆者となることを目指しており、AIベースのテック系スタートアップを支援することが優先課題となっています。