ispace Inc.は、日本の投資家から2800万ドル(30億円)の資金を調達し、初の月面ミッションを実施することを発表しました。
今回のシリーズBラウンドでの資金調達により、シリーズAラウンドで約9,500万ドルで終了したものと合わせて、累計調達額は1億2,500万ドルとなりました。このラウンドは、インキュベート・ファンドが運営する投資ビークルが主導しました。このラウンドには、スペースフロンティアファンド、高砂サーマルエンジニアリング株式会社、三井住友海上火災保険株式会社も参加しました。
今回の投資は、2022年の第1ミッション[3]と2023年[4]に予定されている第2ミッション[4]の打ち上げに向けて、同社の商業用月面着陸船の開発に充てられる。 また、第3期以降のミッションに向けて、ランダーの大型化を図る。
はくとリブートについて
ispaceは7月30日、着陸船「Hakuto-Reboot」の設計を明らかにした。2022年に月面着陸を予定していることを発表した。しかし、ここ数ヶ月、技術的な問題が原因で建設が滞っており、設計審査を通過した後、ハードウェアの完成を待っていた。ランダーはSpaceXのファルコン9ロケットで打ち上げられる予定です。
ブループリント・ムーンについて
ispaceはまた、”Blueprint Moon “と呼ばれる計画的なデータ中心のプラットフォームを立ち上げた。同社は、顧客の月面市場参入を支援することを目的としている。同社のビジョンは、月のデータ(イメージング、環境データ、テレメトリ、資源情報)を収集し、ツールやアプリケーションに応用することである。これを政府宇宙機関、大学、研究機関、民間企業にサービスとして提供し、ミッション計画や月面開発に役立てることができる。政府宇宙機関が公開しているデータをベースに、すでにツールの開発に着手している。
この新しい月面データビジネスのコンセプトは、今後数年の間に月での活動の増加と恒久的な人類の存在を予想しており、経済活動を生み出す可能性があるとispaceは考えている。Blueprint Moonは、企業が月に向けてビジネスを設計し、提供できるようにすることをイスペースが支援することを目的としています。イスペースは、この新規事業と既存のペイロード事業が重要な収益ドライバーとなることを期待しています。
投資家について
日本を代表するベンチャーキャピタルファンドの一つであるインキュベートファンドは、企業のシードステージからの投資でispaceを支援してきました。
スペースフロンティアファンドは、トヨタ自動車、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行などからの出資を受け、2020年5月にスタートしました。
加えて、三井住友海上火災保険と高砂サーマルエンジニアリングは、同社の「白熱R」のコーポレートパートナーとなっている。高砂サーマルエンジニアリングは、水の電気分解技術を月面で実験する予定です。さらに、三井住友海上火災保険は、月面での将来のビジネスリスクをサポートするために、月面保険の設計を行っています。
イスペース社と投資家からのコメント
イスペース創業者兼CEOの袴田武史氏は次のように述べています。
“今回の新たな投資と月面データ提供コンセプトの立ち上げは、ispaceの事業の着実な発展を支えるだけでなく、月面経済の発展、人類の宇宙進出の拡大、より持続可能な世界の創造において、ispaceが世界をリードできることを証明するものです。”
インキュベイトファンド マネージングパートナー 赤浦徹氏
“2014年に初めてispaceと出会って以来、彼らが次世代の宇宙産業をリードする存在になると確信しており、今後も全力で支援していきます。”
スペースフロンティアファンド ゼネラルパートナー代表取締役社長 建学伸一郎氏
“人類の次なるフロンティアを切り拓く新宇宙のリーディングカンパニーとして、イースペースの未来に大きな期待と期待を寄せています。”
高砂サーマルエンジニアリング株式会社 代表取締役社長兼COO 小島一仁氏:
“高砂サーマルエンジニアリングとispaceは、お互いの人、技術、文化を尊重し、志を同じくするパートナーです。高砂熱工学の熱利用技術と水の電気分解技術をベースに、ispaceとノウハウを共有し、月面資源のスケール開発を進めていきます」と述べています。
三井住友海上火災保険株式会社 常務執行役員 野上 功氏
“当社は、HAKUTO-Rのコーポレートパートナーとしての参画に加え、月の保険制度の創設による同社への支援に加え、月資源の有効活用による持続可能な世界の実現に向けたispaceの意欲的で無限の可能性を応援するため、資本面での強力な支援を行うこととしました。